「洗車機に入れる時、ドアミラーはたたむべき?」「洗っても取れない水垢の良い落とし方はないかな…」など、ドアミラーの洗車に関する悩みをお持ちではありませんか。
特に雨の日の視界不良は、安全運転に直結する大きな問題です。対策としてコーティング剤がありますが、撥水と親水どっちを選べば良いのか迷う方も多いでしょう。
また、100均の撥水グッズの効果も気になるところです。この記事では、そんなドアミラーに関するあらゆる疑問を解決し、快適なカーライフを送るためのおすすめの方法を、基本から応用まで徹底的に解説します。
- 洗車機での正しいドアミラーの扱い方がわかる
- ミラーの水垢やウロコを綺麗に落とす方法がわかる
- 自分に合った水滴対策コーティング剤が見つかる
- 雨の日でもクリアな視界を確保する方法がわかる
正しい洗車でドアミラーを綺麗にする方法

- 洗車機を使う時ミラーはたたむ?
- たたまず洗うと破損やエラーの可能性
- 洗い残しが出てしまう時の対処法
- こびりついたウロコ状の水垢の落とし方
- 水垢除去に研磨剤は使うべきか
洗車機を使う時ミラーはたたむ?

結論から言うと、洗車機を利用する際はサイドミラー(ドアミラー)をたたむのが基本です。
ガソリンスタンドやコイン洗車場に設置されているほとんどの洗車機では、操作パネルや入口付近に「サイドミラーをたたんでください」という注意書きが表示されています。これは、洗車機のブラシが高速で回転しながら車体を洗浄するため、ミラーのような突起物があるとトラブルの原因になりやすいからです。
お使いの車がボタン一つで自動格納できるタイプでも、手で内側に折りたたむ手動タイプでも、洗車機に入れる前には必ずたたむ習慣をつけましょう。安全に洗車を終えるための最も基本的で重要なルールです。
たたまず洗うと破損やエラーの可能性
もしサイドミラーをたたむのを忘れて洗車機に通してしまうと、いくつかの深刻なトラブルに見舞われる可能性があります。
考えられる主なトラブル
1. サイドミラーの破損
最も懸念されるのが、回転するブラシの強い力によってミラーが破損することです。ミラーカバーに傷がついたり、鏡面が割れたりするだけでなく、ミラー本体が根元から折れたり、外れたりするケースもあります。修理には高額な費用がかかることもあるため、絶対に避けなければなりません。
2. 洗車機のエラー停止
近年の洗車機には、ブラシに異常な負荷がかかったことを検知する安全センサーが搭載されています。開いたままのミラーにブラシが強く当たると、このセンサーが「異物との衝突」と判断し、緊急停止してしまうことがあります。そうなると、洗車を中断してスタッフの方に復旧作業を依頼する必要があり、他のお客様にも迷惑をかけてしまいます。
このように、ミラーをたたまない行為は、ご自身の車を危険に晒すだけでなく、洗車場の運営にも支障をきたす可能性があるため、必ずルールを守るようにしてください。
洗い残しが出てしまう時の対処法

サイドミラーをたたむことで安全性は確保できますが、一方で新たな問題も生じます。それは、ミラーをたたんだことでブラシが届きにくくなる箇所に洗い残しが発生することです。
特に、ミラーの付け根部分や、ミラーが格納されるドアパネルの凹んだ部分は汚れが残りやすくなります。せっかく車全体を綺麗にしても、部分的に汚れが残っていると気になりますよね。
この問題を解決するには、少しの手間を加えるのが効果的です。
洗い残しを防ぐ2つのポイント
1. “予備洗い”をする
洗車機に通す前に、汚れが残りやすいミラーの付け根周辺を、水を含ませたスポンジやマイクロファイバークロスで軽くこすり洗いしておきましょう。これだけで、頑固な汚れが落ちやすくなり、洗い残しを大幅に減らすことができます。
2. “仕上げの拭き上げ”を丁寧にする
洗車後のエアブローだけでは、細かい部分の水滴は完全には飛ばしきれません。乾いた綺麗なマイクロファイバークロスを使って、ミラー本体はもちろん、付け根や周辺のドアパネルに残った水滴を丁寧に拭き上げましょう。これを怠ると、水滴が乾いてウォータースポット(水垢)の原因になります。
この2つの手間をかけるだけで、洗車機を使っても隅々まで綺麗な仕上がりを実現できます。
こびりついたウロコ状の水垢の落とし方

洗車をしてもサイドミラーに白っぽいウロコのようなシミが残っていて、がっかりした経験はありませんか。この汚れは「ウォータースポット」や「イオンデポジット」と呼ばれるもので、一般的なカーシャンプーではなかなか落とすことができません。
ウロコ状の水垢の正体とは?
この汚れの主な原因は、水道水や雨水に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分です。ミラーに残った水滴が蒸発する際に、水分だけが気化し、ミネラル成分が鏡面に固着してしまうことで発生します。これが魚のウロコのように見えることから、通称「ウロコ」と呼ばれています。
この頑固なウロコ汚れを落とすには、汚れの性質に合ったクリーナーを使う必要があります。
ウロコ汚れはアルカリ性の性質を持っているため、その反対の酸性の性質を持つクリーナーを使うことで、化学的に分解して除去することができます。カー用品店では、「ウロコ取り」や「ウォータースポット除去剤」といった名称で専用のクリーナーが販売されています。
作業手順は、まずミラーの砂やホコリを洗い流し、水分を拭き取ります。その後、専用クリーナーをスポンジやクロスにつけて、優しく磨いていきます。汚れが分解されたら、クリーナーの成分が残らないように水でよく洗い流し、最後に乾いたクロスで拭き上げれば完了です。放置すればするほど頑固になるため、見つけたら早めに対処しましょう。
水垢除去に研磨剤は使うべきか
酸性のクリーナーでも落ちないほど固着してしまった末期のウロコ汚れに対しては、物理的に削り落とす「研磨剤(コンパウンド)」の使用が選択肢となります。
しかし、サイドミラーへの研磨剤の使用は、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に行う必要があります。
研磨剤使用の注意点
メリット:
物理的に汚れを削り取るため、化学分解では落とせない非常に頑固な水垢も除去できる可能性があります。
デメリット:
最大のデメリットは、鏡面を傷つけてしまうリスクがあることです。特に、粒子が粗い研磨剤や、硬いスポンジで強くこすると、ミラーに無数の細かい傷(スクラッチ傷)が入り、かえって視界を悪化させてしまう恐れがあります。最近では人工ダイヤモンドを含んだ強力な研磨パッドなども市販されていますが、これらは扱いが非常に難しく、プロ向けの製品と言えるでしょう。
私であれば、まずは研磨成分が比較的穏やかな、ミラー専用のウロコ取りクリーナーから試します。研磨剤はあくまで最終手段と考え、使用する際は必ず「ガラス用」「ミラー用」と記載された、目の細かいタイプを選び、目立たない場所で試してから全体に使うようにしてください。
正直なところ、ご自身での研磨作業に少しでも不安を感じるなら、無理せずプロに任せるのが賢明です。専門業者であれば、ミラーを傷つけることなく安全に汚れを除去してくれますよ。
洗車後のドアミラーを快適に保つ水滴対策

- 雨の日の視界確保にはコーティング
- ミラーには撥水と親水どっちが良い?
- 対策グッズとして100均の撥水剤は有効か
- 自分でできるおすすめのミラーケア用品
- 親水フィルムをミラーに貼るという選択肢
- まとめ:正しい洗車でドアミラーの悩みを解決
雨の日の視界確保にはコーティング

雨の日の運転中、サイドミラーに付着した水滴で後方がまったく見えなくなり、ヒヤリとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
サイドミラーは走行中の風が直接当たりにくいため、フロントガラスのように水滴が自然に飛んでいきません。この問題を解決し、雨天時でも安全な視界を確保するために非常に有効なのが、サイドミラー専用のコーティングです。
コーティングを施工することで、ミラー表面に水滴がとどまるのを防ぎ、クリアな視界を維持できます。事前にひと手間かけておくだけで、雨の日の運転のストレスと危険を大幅に軽減できるため、ぜひ取り入れたい対策です。
一度コーティングをすれば、効果は数ヶ月持続するものが多く、汚れの付着を防ぐ効果も期待できます。
ミラーには撥水と親水どっちが良い?

ミラー用コーティング剤には、大きく分けて「撥水タイプ」と「親水タイプ」の2種類があります。どちらも水滴を防ぐ目的は同じですが、その仕組みと特性が大きく異なるため、違いを理解して選ぶことが重要です。
タイプ | 仕組み | メリット | デメリット | おすすめな人 |
---|---|---|---|---|
撥水タイプ | 水を弾いて球状の水滴にし、転がり落とす。特に「超撥水」と呼ばれるタイプは、停車中でも水滴が残らない。 | ・水滴がコロコロと転がり落ちるのが爽快 ・走行中は風圧で水滴が飛びやすい | ・通常の撥水だと、停車時に水滴が残り視界を妨げることがある ・水滴がレンズの役割をし、夜間に光が乱反射することがある | ・走行する機会が多い人 ・水滴が弾け飛ぶ様子が好きな人 |
親水タイプ | 水と馴染ませて、水滴ではなく平たい「水の膜」を形成し、水の重みで流れ落とす。 | ・停車中でも水滴が残らず、膜状になるため視界が歪まない ・夜間の乱反射が起きにくい | ・ボディ用の撥水シャンプーなどが付着すると効果が落ちる ・泥水などがかかると膜状に汚れが広がりやすい | ・停車や低速走行が多い街乗りの人 ・安定したクリアな視界を最優先したい人 |
結論として、サイドミラーには「親水タイプ」か「超撥水タイプ」がおすすめです。
前述の通り、サイドミラーは走行風が当たりにくいため、通常の撥水コーティングだとミラー表面に水玉が残ってしまい、かえって視界が悪化することがあります。そのため、停車中でも水滴が残らない特殊な「超撥水」を謳った製品か、水が膜となって流れ落ちる「親水」タイプのどちらかを選ぶのが間違いないでしょう。
対策グッズとして100均の撥水剤は有効か

最近では100円ショップでも自動車用の撥水剤が販売されており、その手軽さと価格の安さから、「効果はどうなんだろう?」と気になる方も多いと思います。
100均の撥水剤は、緊急用や一時的な対策、またはコーティングを試してみたいという入門用として考えれば、選択肢の一つになります。少量で販売されていることが多いため、「試しに塗ってみる」という用途には非常に便利です。
ただ、カー用品メーカーが開発した専用品と比較すると、性能や効果の持続期間においては劣る場合が多いことは理解しておく必要があります。専用品が数ヶ月から半年以上効果が持続するのに対し、100均の製品は雨が降るたびに塗り直しが必要になることも少なくありません。
長期的なコストパフォーマンスや性能の高さを求めるのであれば、やはり信頼できるカー用品メーカーの専用品を選ぶのがおすすめです。しかし、「次の雨だけ凌ぎたい」「コーティングがどんなものか体験したい」といった限定的な目的であれば、100均の製品も十分に役立ってくれるでしょう。
自分でできるおすすめのミラーケア用品

ここでは、ご自身で手軽に施工でき、かつ高い効果が期待できる市販のおすすめミラーケア用品をタイプ別に紹介します。どれもカー用品店やオンラインストアで人気の高い製品です。
【超撥水スプレータイプ】ソフト99 ガラコミラーコートZERO
「ガラコ」ブランドで有名なソフト99のミラー専用超撥水コーティング剤です。最大の特徴は、時速0km、つまり停車中でも水滴をミラーに付着させない驚異の超撥水性能です。スプレーして乾燥させるだけで施工が完了する手軽さも魅力。バックカメラにも使用できるため、一本持っておくと重宝します。
【親水タイプ】カーメイト エクスクリア ミラー用 超親水コート
こちらは親水効果でミラーの視界を確保するタイプです。塗り込み用の専用スポンジが付属しており、ムラなく簡単に施工できます。一度の施工で約6ヶ月という持続期間の長さもポイント。もし効果が薄れてきても、ミラー表面を水洗いして日光に当てることで親水効果が復活するというユニークな特徴も持っています。
【下地処理も同時に】プロスタッフ キイロビン ミラクリア
コーティングを施工する上で最も重要なのが、ミラー表面の油膜や古いコーティングを落とす「下地処理」です。この商品は、そのための油膜取り剤と親水コーティング剤がセットになっているため、これ一つで完璧な下地処理とコーティングが完結します。塗り込みタイプなので、スプレーのように周囲に飛び散る心配もありません。
親水フィルムをミラーに貼るという選択肢
コーティング剤を塗るのではなく、「フィルムを貼る」という方法で水滴対策をすることも可能です。これは、あらかじめ親水効果を持つ特殊なフィルムをミラーの鏡面に貼り付けるというものです。
この方法には、コーティングにはないいくつかのメリットがあります。
親水フィルムのメリット
- 手軽さ:下地処理をしてフィルムを貼るだけで、長期間にわたって効果が持続します。
- 追加機能:製品によっては、親水効果だけでなく、夜間の後続車のヘッドライトの眩しさを軽減する「防眩効果」や、紫外線カット効果を併せ持つものもあります。
- 汎用性:車種専用にカットされた製品のほか、自分で好きなサイズに切って使える汎用タイプも販売されています。
一方で、デメリットとしては、フィルムを貼る際に気泡やホコリが入ってしまい、仕上がりが汚くなるリスクがある点が挙げられます。また、フィルム自体が経年で劣化したり、端から剥がれてきたりすることもあります。
手先の器用さに自信がある方や、防眩効果などコーティングにはない付加価値を求める方にとっては、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
まとめ:正しい洗車でドアミラーの悩みを解決
本記事をまとめます。
- 洗車機を使う際はサイドミラーをたたむのが基本ルール
- ミラーをたたまずに洗うと破損やエラー停止のリスクがある
- ミラーの付け根は洗い残しやすいため予備洗いが効果的
- 洗車後は水滴を拭き上げウォータースポットを予防する
- ミラーのウロコ状の水垢はミネラル分が固着したもの
- 水垢除去にはアルカリ性の汚れを溶かす酸性クリーナーが有効
- 研磨剤は最終手段としミラーを傷つけないよう慎重に使う
- 雨の日の視界確保にはミラー専用のコーティングが不可欠
- サイドミラーには停車中でも水滴が残らない超撥水タイプがおすすめ
- または水が膜状に流れる親水タイプも視界確保に非常に有効
- 通常の撥水タイプは停車時に水玉が残り視界を妨げることも
- 100均の撥水剤は緊急用や試用には便利だが持続性は低い
- 下地処理はコーティング効果を最大限に引き出すために重要
- コーティング剤以外に親水フィルムを貼るという選択肢もある
- 自分での作業が不安な場合は無理せずプロに依頼するのが安心