あこがれのベンツを手に入れたものの、「大切な愛車をどうやって洗車すればいいのだろう?」と悩んでいませんか。ベンツのオーナーにとって、その輝きを維持することは大きな関心事です。
例えば、手軽なガソリンスタンドの洗車機を使いたいけれど、エンブレムやミラーへのダメージが心配になります。また、SクラスやEクラス、Vクラス、あるいはゲレンデやカブリオレといった車種ごとの洗車機利用の可否も気になるところです。
便利な洗車モードの存在は知っていても、正しい使い方が分からない方もいるかもしれません。結局、洗車は一体どこでするのが最適なのでしょうか。
ディーラーの専門的な洗車サービスから、自分で行う丁寧な手洗い洗車まで、選択肢はさまざまです。この記事では、それぞれの方法のメリット・デメリットを徹底比較し、あなたにとっておすすめの洗車方法を見つけるお手伝いをします。
- ベンツを洗車機で洗う際の可否と具体的な注意点がわかる
- 車種ごとの洗車方法の違いや気をつけるべきポイントがわかる
- プロに依頼する場合と自分で手洗いする場合のメリット・デメリットがわかる
- 愛車の輝きを長く保つための最適な洗車方法がわかる
洗車機での洗車、ベンツは大丈夫?注意点を解説

- ガソリンスタンドの洗車機を使う前に
- 洗車機ではミラーやエンブレムの破損に注意
- sクラスやeクラスの洗車機利用について
- vクラスやゲレンデの洗車機利用の可否
- カブリオレの洗車機は特に注意が必要
- ベンツの便利な洗車モードとは?
ガソリンスタンドの洗車機を使う前に

結論から言うと、多くのベンツは洗車機で洗うことが可能です。しかし、無条件でどんな洗車機でも使えるわけではありません。ガソリンスタンドの洗車機を利用する前には、必ずいくつかの点を確認する必要があります。
まず最も重要なのは、その洗車機が「外車対応」あるいは「輸入車対応」となっているかを確認することです。多くの最新型洗車機には、外車専用のコースやボタンが用意されています。これらは、一般的な国産車とは異なるボディサイズやミラーの構造に対応できるよう、ブラシの動きや水圧が調整されているのです。
「外車お断り」の洗車機に注意
旧式の洗車機や一部の店舗では、トラブルを避けるために「外車・輸入車の利用不可」と明記している場合があります。注意書きを無視して利用し、万が一車両に損害が生じても補償されないケースがほとんどですので、必ず事前に確認しましょう。
また、洗車機のブラシの種類も重要なチェックポイントです。硬いプラスチック製のブラシは、繊細なベンツの塗装面に細かい「洗車傷」を付けてしまう可能性があります。できれば、柔らかいスポンジブラシや布ブラシを採用している最新型の洗車機を選ぶことをおすすめします。
最近は、ブラシを使わずに高圧水流だけで汚れを落とす「ノンブラシ洗車機」も増えてきました。物理的な接触がないため傷が付くリスクは格段に低いですが、頑固な汚れは落ちにくい場合があります。車の汚れ具合によって使い分けるのが賢い選択ですね。
洗車機ではミラーやエンブレムの破損に注意

洗車機を利用する際に最も懸念されるのが、ミラーやエンブレムといった突起物の破損です。ベンツに限らず、欧州車は日本車と異なる設計思想で作られている部分があり、特に注意が必要となります。
理由として、多くの日本車ではドアミラーが電動で折りたためるのに対し、一部のベンツや輸入車ではミラーが手動格納式であったり、そもそも格納できない固定式のモデルが存在するためです。格納し忘れたり、固定式だったりすると、高速で回転する洗車ブラシに引っかかって破損するリスクが非常に高まります。
さらに、ベンツの象徴でもあるスリーポインテッド・スターのエンブレムも注意が必要です。ボンネットの先端に立つ「ボンネットマスコット(フードクレスト)」タイプのエンブレムは、洗車機のブラシに引っかかりやすく、根元から折れたり、傷が付いたりする可能性があります。
破損を防ぐための対策
これらのリスクを避けるため、洗車機に入れる前には以下の対策を行いましょう。
- ミラー:格納できるタイプは必ずたたむ。固定式の場合は、スタッフに相談するか、利用を避ける。
- エンブレム:ボンネットマスコットは、事前に保護テープを貼るなどの対策が有効な場合もありますが、店舗によっては禁止されていることもあります。
- アンテナ:ルーフアンテナなども忘れずに格納、または取り外しましょう。
前述の通り、外車対応コースではこれらの突起物を避けるようにプログラムされていることが多いですが、100%安全とは限りません。最終的には自己責任となるケースが多いため、少しでも不安があれば無理に利用せず、手洗いに切り替えるのが賢明です。
SクラスやEクラスの洗車機利用について
ベンツの代表的なセダンであるSクラスやEクラスは、比較的に洗車機を利用しやすい車種と言えます。ボディ形状がオーソドックスであり、極端な突起物も少ないため、多くの外車対応洗車機で問題なく洗うことが可能です。
ただし、これらの高級セダンには、多くのセンサー類が搭載されている点に注意が必要です。例えば、自動運転支援システムのためのカメラやレーダー、駐車支援のためのパークトロニックセンサーなどが、バンパーやフロントグリル、フロントガラスに内蔵されています。
最新の洗車機であれば、これらのセンサーに影響を与えないよう設計されていますが、高圧なジェット水流が直接センサー部分に長時間当たると、一時的なエラーや、最悪の場合は故障に繋がる可能性もゼロではありません。
コーティング施工車は水洗いコースが基本
SクラスやEクラスのオーナーの多くは、ボディにガラスコーティングなどを施工していることが多いです。コーティング施工車の場合、ワックスや撥水剤が含まれたシャンプーコースを選ぶと、コーティング層に悪影響を与え、本来の性能を損なうことがあります。基本的には「水洗い」または「シャンプー」のみのシンプルなコースを選ぶのがおすすめです。
心配な方は、前述の「洗車モード」を活用することで、パークトロニックセンサーを一時的にオフにできるため、安心して洗車機を利用できます。
vクラスやゲレンデの洗車機利用の可否

ミニバンのVクラスや、オフローダーの象徴であるゲレンデ(Gクラス)といった大型モデルの洗車機利用には、セダンタイプとは異なる注意点があります。
最大のポイントは、車両のサイズが洗車機の規格内に収まるかという点です。多くの門型洗車機には、全長・全高・全幅に制限が設けられています。
項目 | 制限サイズ | Vクラス | Gクラス |
---|---|---|---|
全長 | 約5.2m | 標準:4,905mm / ロング:5,140mm | 4,660mm |
全高 | 約2.3m | 1,910mm | 1,975mm |
全幅 | 約2.3m | 1,930mm | 1,930mm |
表を見ると、標準的なVクラスやGクラスは多くの洗車機の規格内に収まります。しかし、社外品のルーフキャリアやオーバーフェンダーなどを装着している場合、規格サイズを超えてしまう可能性があります。また、Gクラスの背面スペアタイヤも、機種によってはセンサーが誤認識する原因となり得るため注意が必要です。
特にゲレンデはその角張った独特のボディ形状から、ブラシが届きにくい箇所が出やすい傾向にあります。ドアヒンジ周りやバンパーの隅など、洗い残しが発生しやすいことを理解しておく必要があります。
Vクラスやゲレンデのような大型車は、洗車機に入れる際もミラーやボディ側面を擦らないよう、より慎重な操作が求められます。不安な場合は、誘導してくれるスタッフがいるガソリンスタンドを選ぶと安心ですよ。
カブリオレの洗車機は特に注意が必要

オープンカーであるカブリオレモデルの場合、洗車機の利用は原則として避けるべきというのが専門家の一般的な見解です。最大の理由は、布製の「ソフトトップ(幌)」にあります。
ソフトトップは、高圧な水流やブラシの摩擦によって、以下のような深刻なダメージを受けるリスクがあります。
- 撥水性の低下:トップ表面に施された撥水コーティングが剥がれてしまう。
- 生地の損傷:ブラシの摩擦で生地が毛羽立ったり、ほつれたりする。
- 雨漏りの原因:劣化した部分や繋ぎ目から水が侵入し、雨漏りに繋がる。
- 変色・シミ:洗剤成分が残ると、変色やシミの原因になる。
特に、経年劣化したソフトトップに高圧洗浄機をかけるのは非常に危険です。生地が破れたり、雨漏りが悪化したりする直接的な原因になりかねません。
どうしても洗車機を使いたい場合は…
基本的には推奨されませんが、もしどうしても洗車機を利用したい場合は、「ノンブラシ」かつ「高圧ジェットを弱めに設定できる」洗車機を自己責任で利用するしかありません。しかし、それでも雨漏りなどのリスクが伴うため、カブリオレの洗車は丁寧な手洗いが最も安全で確実な方法と言えます。
愛車の価値を長く保つためにも、カブリオレのオーナーは手洗い洗車の技術を身につけるか、信頼できるプロに依頼することをおすすめします。
ベンツの便利な洗車モードとは?
近年のメルセデス・ベンツに搭載されている「洗車モード」は、その名の通り、洗車機を安全かつスムーズに利用するために、車両側の設定を自動で最適化してくれる非常に便利な機能です。
このモードを有効にすると、以下のような動作が自動で行われます。(車種や年式により機能は異なります)
洗車モードの主な機能
- ドアミラーの自動格納:洗車ブラシによるミラーの破損を防ぎます。
- ウィンドウとサンルーフの自動クローズ:車内への水の侵入を完全に防ぎます。
- ワイパーの停止:レインセンサーが水滴に反応してワイパーが誤作動するのを防ぎます。
- パークトロニックセンサーの一時停止:接近するブラシや水流にセンサーが反応し、警告音が鳴り続けるのを防ぎます。
- エアコンの外気導入停止:洗剤の匂いが車内に入るのを防ぎ、内気循環に切り替わります。
- 車高の上昇(エアサスペンション搭載車):車高を上げることで、足回りやボディ下部を洗いやすくします。
使い方は非常に簡単で、センターディスプレイの「設定」から「車両」へ進み、「洗車モード」を選択するだけです。洗車が終わり、時速20km以上で走行すると、このモードは自動的に解除され、全ての設定が元に戻ります。
この機能があれば、これまで洗車機に入れる際に一つひとつ手動で行っていた設定がワンタッチで完了します。まさに、メルセデス・ベンツの利便性と安全思想を象徴する機能と言えるでしょう。
愛車の輝きを保つ洗車、ベンツにおすすめの方法

- 洗車は一体どこでするのが良いのか
- ディーラーが提供する高品質な洗車サービス
- やはりおすすめは丁寧な手洗い洗車
洗車は一体どこでするのが良いのか
ベンツの洗車を行う場所には、いくつかの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身のライフスタイルや車へのこだわりに合わせて選ぶことが大切です。
主な選択肢は、「自宅」「コイン洗車場」「プロ(ディーラーや専門店)」の3つです。それぞれの特徴を比較してみましょう。
場所 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自宅 | ・好きな時間にできる ・移動の手間がない ・費用が安い(水道代・道具代のみ) | ・水道や駐車スペースが必要 ・道具を揃える必要がある ・排水など近隣への配慮が必要 |
コイン洗車場 | ・高圧洗浄機などの設備が使える ・広いスペースで作業しやすい ・周囲を気にせず洗車に集中できる | ・料金がかかる(時間制) ・混雑時は待つことがある ・洗車場までの移動が必要 |
プロ(業者) | ・仕上がりが非常に綺麗 ・手間と時間がかからない ・専門的な知識と技術で安心 | ・費用が高い ・予約が必要な場合がある ・店舗までの移動が必要 |
手軽さとコストを重視するなら自宅やコイン洗車場が適していますが、そのためには正しい知識と適切な道具が必要不可欠です。一方、最高のクオリティと安心感を求めるのであれば、プロに依頼するのが最も確実な方法と言えます。ご自身の状況に合わせて、これらの選択肢をうまく使い分けるのが良いでしょう。
ディーラーが提供する高品質な洗車サービス
ベンツの洗車をプロに依頼する際、最も信頼できる選択肢の一つが正規ディーラーの洗車サービスです。点検や整備のついでに依頼できる手軽さだけでなく、ディーラーならではの高品質なサービスが受けられます。
ディーラー洗車の最大のメリットは、自社の車を知り尽くした専門スタッフが、車種ごとの特性や注意点を完全に把握した上で作業を行ってくれる点です。例えば、デリケートな塗装やセンサー類、特殊な素材のパーツなども、適切な方法で丁寧に取り扱ってくれます。
ディーラー洗車の主なメリット
- 専門知識と技術:ベンツの構造を熟知したスタッフが担当。
- 純正ケミカルの使用:メーカー推奨のカーシャンプーやコーティング剤を使用するため、車との相性も抜群。
- 安心感:万が一のトラブル時も、正規ディーラーとして責任ある対応が期待できる。
- 付加サービス:手洗い洗車だけでなく、室内清掃や簡易コーティングなどがセットになっている場合も多い。
一方で、デメリットはやはり費用が比較的高額である点です。一般的なガソリンスタンドや洗車専門店に比べると、料金は高めに設定されています。料金は店舗やサービス内容によって異なりますが、手洗い洗車で数千円から、コーティングメンテナンスを含む場合は1万円以上かかることもあります。
しかし、その価格に見合うだけのクオリティと安心感が得られるため、「年に数回、特別なケアとして利用する」「普段は自分で手洗いし、落としきれない汚れをリセットしてもらう」といった形で活用するのがおすすめです。
やはりおすすめは丁寧な手洗い洗車

ここまで様々な洗車方法を紹介してきましたが、結論として、ベンツの輝きを最も安全かつ確実に維持するためには、丁寧な手洗い洗車が一番おすすめです。
洗車機には常に傷のリスクが伴い、洗い残しが発生する可能性もあります。しかし、自分の手で洗うことで、ボディの隅々まで状態を確認しながら、優しく洗い上げることができます。これは、機械では決して真似のできない、手洗いならではの大きなメリットです。
手洗い洗車には、主に以下のような利点があります。
手洗い洗車のメリット
①傷のリスクを最小限に抑えられる
たっぷりの泡を使い、優しい力で洗うことで、洗車傷が付くリスクを限りなくゼロに近づけられます。
②細部まで綺麗にできる
エンブレムの周りやドアの内側、ホイールの隙間など、洗車機では届かない部分まで丁寧に洗浄できます。
③車の変化に気づきやすい
洗車を通じてボディ全体をくまなく見ることで、小さな傷や塗装の劣化、タイヤの異常といった、愛車の変化を早期に発見できます。
④愛着が深まる
自分の手で愛車を綺麗にすることで、車への理解と愛着が一層深まります。
もちろん、正しい手順と道具で行うことが大前提です。間違った方法で洗うと、かえって車を傷つけてしまうことにもなりかねません。しかし、基本的なポイントさえ押さえれば、誰でもプロに近い仕上がりを目指すことが可能です。時間と手間はかかりますが、それ以上の満足感が得られるでしょう。
まとめ:最適な洗車でベンツを美しく
この記事では、ベンツの洗車に関する様々な方法と注意点について詳しく解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- ベンツは外車対応の洗車機であれば利用可能
- 洗車機を使う前にはブラシの種類やサイズ制限を確認する
- ミラーやエンブレム、アンテナなどの突起物には破損のリスクがある
- SクラスやEクラスなどのセダンは比較的洗車機を使いやすい
- ゲレンデやVクラスなどの大型車はサイズに注意が必要
- カブリオレのソフトトップはデリケートなため洗車機の利用は避けるべき
- 近年のモデルには設定を自動最適化する便利な「洗車モード」が搭載されている
- 洗車場所には自宅、コイン洗車場、プロの業者といった選択肢がある
- ディーラーの洗車サービスは高品質だが費用は高め
- 最高のクオリティと安心感を求めるならプロへの依頼が確実
- 最もおすすめなのは傷のリスクが低く細部まで綺麗にできる手洗い洗車
- 手洗い洗車は車の異常を早期発見できるメリットもある
- 正しい道具と手順で行うことが手洗い洗車の成功の鍵
- コーティング施工車はワックスインシャンプーを避け水洗いコースを選ぶ
- 状況に応じて洗車機と手洗い、プロのサービスを使い分けるのが賢い方法