車のコーティングを自分でリセット！方法と注意点を徹底解説

車のコーティングを自分でリセット！方法と注意点を徹底解説

愛車の輝きが以前と違うと感じ、コーティングのやり直しを考えることはありませんか。しかし、どのくらいの頻度で実施すべきか、具体的な方法がわからず悩む方も多いでしょう。特に、頑固なディーラーコーティングの落とし方となると、専門的で難しく感じられます。

この記事では、市販のカーシャンプーでのリセットから、おすすめのコーティングリセット シャンプーを使った本格的なケアまで、DIYで実践できる手順を詳しく解説します。

なぜ必要？車のコーティング リセットの基礎知識

コーティングやり直しが必要なサインとは

コーティングのやり直しを検討すべきサインは、主に塗装面の見た目や機能性の変化に現れます。最も分かりやすいのは、撥水効果の低下です。施工直後は雨水が綺麗な水玉となって弾かれていたのに、水がベタっと広がるようになったり、水の流れが悪くなったりした場合は、コーティング被膜が劣化している明確な兆候と考えられます。

また、洗車しても取れない水垢（ウォータースポットやイオンデポジット）が目立ってきたときも注意が必要です。これらは劣化したコーティング被膜の隙間に汚れが固着している状態で、放置すると塗装そのものを傷める原因にもなり得ます。

艶や光沢の低下も重要な判断基準です。新車時のような深みのある艶が失われ、全体的にくすんだ印象を受けるようになったら、被膜の保護能力が落ちている証拠と言えます。さらに、洗車で付いた細かい傷（洗車傷）が目立ちやすくなった場合も、傷を防ぐ役割を果たしていたコーティング層が摩耗していると考えられます。

これらのサインは、コーティングの種類や保管環境、走行距離によって現れるタイミングが異なります。一つのサインだけでなく、複数の状態を総合的に見て、リセットと再施工の時期を判断することが大切です。

リセット施工を行う理想的な頻度

コーティングをリセットする理想的な頻度は、施工されているコーティングの種類と車の保管状況によって大きく異なります。一概に「何年に一度」と決めることはできませんが、一般的な目安を理解しておくことは可能です。

例えば、DIYで施工されることが多い簡易的なスプレータイプのコーティングやワックスの場合、効果の持続期間が短いため、3ヶ月から半年に一度程度のリセットが推奨されます。これらの製品は手軽に施工できる反面、劣化も早いため、古い被膜が残ったまま重ね塗りを続けると、ムラになったり汚れを抱き込んだりする原因となります。

一方、カー用品店や専門業者で施工される硬化型のガラスコーティングの場合、耐久性が高いため、リセットの頻度は低くなります。製品にもよりますが、1年から3年、あるいはそれ以上のスパンで検討するのが一般的です。ただし、これはあくまで目安であり、屋外駐車で紫外線や酸性雨に晒される機会が多い車は、ガレージ保管の車に比べて劣化が早く進むため、より短い期間でのリセットが必要になることがあります。

結局のところ、期間で判断するよりも、前述の「コーティングやり直しが必要なサイン」を基準にするのが最も確実です。撥水性の低下や艶の消失、落ちない汚れの付着など、車の状態を日頃から観察し、性能が落ちたと感じたタイミングが最適なリセット時期と言えるでしょう。

リセットの主な方法を2種類解説

車のコーティングをリセットする方法は、大きく分けて「ケミカル（化学的）な除去」と「研磨（物理的）な除去」の2種類が存在します。どちらの方法を選ぶかは、コーティングの種類、劣化の度合い、そして作業者がどこまでの仕上がりを求めるかによって変わってきます。

ケミカルによる除去は、専用の除去剤やクリーナーを使用してコーティング被膜を分解・溶解させる方法です。

主にアルカリ性のケミカルや、シリコンオフなどの脱脂剤、水垢除去剤などが用いられます。この方法の最大のメリットは、ポリッシャーのような専門的な工具を必要とせず、手作業で比較的安全に施工できる点にあります。

DIY初心者でも挑戦しやすく、塗装へのダメージを最小限に抑えながら古いワックスや簡易コーティングを落とすことが可能です。

対して、研磨による除去は、コンパウンド（研磨剤）とポリッシャーという機械を使って、コーティング被膜ごと塗装の表面を薄く削り取る方法を指します。このアプローチの利点は、ケミカルでは落としきれない頑固な硬化型ガラスコーティングや、劣化した塗装面そのものを一新できる確実性です。シミや深い傷ごと除去できるため、塗装面を完全にリフレッシュし、新車のような状態に近づけることができます。

このように、手軽さと安全性を重視するならケミカル除去、確実性と完璧な下地作りを求めるなら研磨除去が適しています。

ケミカル除去と研磨除去の違い

前述の通り、ケミカル除去と研磨除去はアプローチが根本的に異なり、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらを選択するかは、目的と許容できるリスクを天秤にかけて判断することが求められます。

以下の表に、両者の違いをまとめました。

項目	ケミカル除去	研磨除去
主な対象	ワックス、樹脂系コート、簡易コーティング	硬化型ガラスコーティング、劣化した塗装面
作業の難易度	比較的易しい（DIY向き）	高い（専門知識・技術が必要）
必要な道具	ケミカル剤、クロス、スポンジ	ポリッシャー、コンパウンド、バフなど
作業時間	短い	長い
塗装への影響	比較的少ない	塗装を削るため、リスクが伴う
仕上がり	古い被膜や油分を除去し、素の状態に近づける	完全にリセットし、鏡面のような下地を作れる
メリット	・手軽で安全に作業できる<br>・コストを抑えられる	・頑固な被膜も確実に除去できる<br>・傷やシミも同時に解消できる
デメリット	・硬化型ガラスコーティングは落としきれないことがある<br>・効果に限界がある	・技術がないと塗装を傷める危険がある<br>・専門的な道具が必要でコストがかかる

ケミカル除去は「簡易リセット」と考えると良いでしょう。塗装に大きな問題がなく、手軽に次のコーティングの準備をしたい場合に適しています。

一方、研磨除去は「完全リセット」です。塗装の劣化が激しい場合や、最高の状態で新しいコーティングを施工したい場合に選ばれます。ただし、塗装の膜厚は有限であるため、何度も繰り返し行える作業ではないという点も理解しておく必要があります。

DIY作業で注意すべき気候と道具

DIYでコーティングのリセット作業を行う際は、作業環境、特に気候条件が仕上がりに大きく影響します。まず、炎天下での作業は絶対に避けるべきです。

ボディの温度が高い状態でケミカル剤を使用すると、水分や溶剤が急速に蒸発し、成分がボディに焼き付いてシミの原因となります。

これはシャンプー洗車でも同様で、拭き上げる前に乾いてしまうとウォータースポットのリスクが高まります。理想的なのは、日差しの弱い曇りの日や、朝夕の涼しい時間帯です。

また、風が強い日も避けた方が賢明です。風によって砂やホコリが飛んできて、洗車中や拭き上げ中にボディに付着すると、それらを引きずってしまい深い傷を作る原因になります。特に研磨作業を行う場合は、コンパウンドに異物が混入すると深刻なダメージにつながるため、風のない穏やかな環境が必須です。

使用する道具に関しても注意が必要です。洗車用のスポンジや拭き上げ用のマイクロファイバークロスは、必ず清潔なものを使用してください。一度地面に落としてしまったクロスは、目に見えない砂利が付着している可能性があるので、そのまま使うのは非常に危険です。予備を複数枚用意しておくと安心できます。

研磨作業に挑戦する場合は、ポリッシャーやコンパウンド、バフの選定が鍵となります。初心者が扱うなら、回転が比較的穏やかで失敗のリスクが少ないダブルアクションポリッシャーがおすすめです。コンパウンドも、研磨力の低い極細目や超微粒子タイプから試すのが安全です。

実践編！車のコーティング リセットに使うケミカル類

市販のカーシャンプーでリセットは可能？

「市販のカーシャンプーでコーティングをリセットできるのか？」という疑問を持つ方は多いですが、答えは「シャンプーの種類による」となります。一般的な中性のカーシャンプーは、コーティング被膜を傷めずに汚れだけを落とすことを目的としているため、リセット効果は期待できません。

一方で、「クリーナーシャンプー」や「水アカ落としシャンプー」といった名称で販売されている製品は、リセットに近い効果を発揮することがあります。これらのシャンプーの多くは、弱アルカリ性の性質を持っているか、あるいは微細な研磨剤（コンパウンド）を含んでいます。

弱アルカリ性のシャンプーは、油性の汚れや古いワックス成分を分解する力に優れています。そのため、劣化した簡易コーティングやワックスであれば、複数回洗車することで被膜を除去できる場合があります。ただし、硬化したガラスコーティングに対しては、効果は限定的です。

コンパウンド入りのクリーナーシャンプーは、洗浄と同時にごく軽い研磨を行うことで、水垢や劣化した被膜の表層を削り落とします。これにより、ボディのくすみを取り、塗装本来の状態に近づけることができます。シュアラスターの「クリーナーシャンプー」などが代表的な製品で、ワックスや簡易コーティングのリセット、再施工前の下地処理として有効です。

ただし、これらのシャンプーを使用する際は注意が必要です。洗浄力や研磨力が強いため、コーティング施工車に使用すると、意図せず被膜を傷めてしまう可能性があります。リセットを目的とする場合にのみ使用し、製品の使用方法をよく読んでから作業にあたりましょう。

おすすめのコーティングリセット シャンプー

コーティングのリセットを目的とする場合、専用に設計された「リセットシャンプー」を使用するのが最も効率的で確実です。これらの製品は、一般的なカーシャンプーとは異なり、古いコーティング被膜や油分、スケール（水垢）を化学的に分解・除去する能力に特化しています。

リセットシャンプーの多くは、弱アルカリ性または酸性の性質を持っています。アルカリ性のシャンプーは、主に油脂系の汚れやワックス、樹脂系コーティングの除去に効果を発揮します。普段の洗車では落としきれない排気ガスに含まれる油分などを分解し、塗装面をスッピンの状態に近づけます。

一方、酸性のシャンプーは、無機質の汚れであるイオンデポジットやウォータースポットといった、いわゆる「水垢」の除去に有効です。ただし、酸性ケミカルは金属やゴム部品に影響を与える可能性もあるため、使用には注意が必要です。

DIYで使いやすく、おすすめできるのは、洗浄助剤などが配合された弱アルカリ性のリセットシャンプーです。ホルツの「R+シャンプー」のような製品は、劣化した撥水被膜を除去する能力を前面に打ち出しており、次のコーティング剤の性能を最大限に引き出すための下地作りとして最適です。

シャンプーを選ぶ際は、現在施工しているコーティングの種類と、除去したい汚れの種類を考慮することが大切です。目的が古いワックスの除去であればアルカリ性、頑固な水垢の除去であれば酸性、といった具合に使い分けることで、より効果的なリセットが実現します。

頑固なディーラーコーティングの落とし方

ディーラーで施工されるガラスコーティングは、市販の簡易コーティングに比べて耐久性が高く、被膜が硬く塗装面に強固に定着しています。そのため、リセットの難易度は格段に上がります。

まず、前述の「コーティングリセット シャンプー」や弱アルカリ性のクリーナーを試すのが第一歩です。これにより、コーティングの表層に蓄積した汚れや、撥水性能を担うトップコート層を除去できる場合があります。しかし、ベースとなる硬いガラス被膜そのものをケミカルだけで完全に除去するのは非常に困難です。

ケミカルで効果が見られない場合、次の手段は物理的な除去、つまり「研磨」となります。これは、コンパウンドとポリッシャーを用いて、コーティング被膜を塗装ごと削り取る方法です。この方法であれば、どんなに頑固なディーラーコーティングでも確実に除去することができます。

しかし、研磨作業は高度な技術と知識を要します。使用するコンパウンドの粒子の粗さや、ポリッシャーの動かし方、圧力のかけ方を間違えると、塗装に修復不可能なダメージを与えてしまうリスクがあります。特に、塗装の角やエッジ部分は塗膜が薄いため、削りすぎて下地を出してしまう失敗も少なくありません。

したがって、DIYでディーラーコーティングのリセットに挑戦する場合、まずはケミカルでの除去を試し、それでも解決しない場合は無理をせずプロの施工店に相談するのが最も賢明な選択と言えます。プロは塗装の状態を的確に診断し、最適な研磨方法で安全かつ確実にコーティングをリセットしてくれます。

研磨で除去する場合に必要な工具

ケミカルでのリセットに限界を感じ、研磨による除去に挑戦する場合には、専門的な工具を揃える必要があります。中途半端な道具で作業を始めると、失敗のリスクが高まるだけでなく、時間と労力が無駄になってしまう可能性があります。

最低限必要となる主要な工具は以下の通りです。

1. ポリッシャー: 塗装を磨くための電動工具です。回転方法によって、主に「シングルアクション」「ギアアクション」「ダブルアクション」の3種類に分けられます。DIY初心者には、オービット（偏心）運動によって研磨熱が上がりにくく、削りすぎのリスクが低い「ダブルアクションポリッシャー」が最もおすすめです。
2. コンパウンド（研磨剤）: 塗装を磨くための研磨剤です。粒子の粗さによって、粗目、中目、細目、極細目、超微粒子といった種類があります。まずは研磨力の弱い極細目や超微粒子から試し、必要に応じて段階的に粗いものへ変えていくのが安全な進め方です。複数の種類をセットで用意しておくと良いでしょう。
3. バフ: ポリッシャーの先端に取り付けてコンパウンドを塗り広げ、磨き上げるためのパッドです。素材によってウールバフ、ウレタンバフ、マイクロファイバーバフなどがあります。一般的にウールは研磨力が高く、ウレタンは仕上げに向いています。コンパウンドの粗さに合わせて、複数のバフを使い分けるのが基本です。

具体的なやり方はコチラのサイトがわかりやすいです。
＞＞cadays magazine[ポリッシャー＆バフを使って研磨する際のコツと注意点]

これらの主要工具に加えて、作業箇所を限定するための「マスキングテープ」、コンパウンドの油分を拭き取るための「脱脂剤（シリコンオフ）」、そして粉塵から身を守るための「マスク」や「保護メガネ」も必須アイテムとなります。

DIYで試す車 コーティング リセットの要点

この記事で解説してきた様々な情報を踏まえ、最後にDIYで車のコーティングリセットに挑戦する際の要点をまとめます。