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マット塗装コーティングの正解は?おすすめ剤と失敗しない施工法

コーティング関係
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こんにちは。ツヤログ運営者の「PK」です。

街中で見かけると一際目を引く、独特な質感が魅力のマット塗装。そのクールなルックスに惹かれて愛車に選んだものの、いざ納車されると「普段のメンテナンスはどうすればいいの?」「普通のワックスは使えないって本当?」と、期待と同じくらいの大きな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

特にマット塗装に関するコーティングや洗車方法は、一般的な艶あり(グロス)塗装とは全く異なるアプローチが必要です。もし間違った手入れをしてしまうと、二度と元の質感には戻らないという、取り返しのつかない失敗のリスクもつきまといます。「汚れたからコンパウンドで磨けばいいや」という常識が、マット塗装では命取りになるのです。

この記事では、そんな当時の私と同じ悩みを抱えるオーナー様のために、マット塗装の美しさを守り抜くための最適なケア方法と、私が自信を持っておすすめできる解決策(専用コーティング)について、詳しくお話しします。

この記事で分かること
  • マット塗装の維持管理で絶対にやってはいけないNG行為とリスク
  • 頑固な水垢や汚れが付着してしまった際の安全な対処法
  • 専用コーティング剤「Cure Matte REDEFINED」を選ぶべき理由
  • DIYでも失敗せずにプロ並みの仕上がりを実現する施工手順

マット塗装のコーティングで失敗しない基礎知識

ガレージ内でマットブラックの愛車を真剣な表情で点検する日本人男性オーナー。独特の鈍い光沢を持つマット塗装の質感と、愛車への強いこだわりを表現
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マット塗装を美しく保つためには、まず「なぜマットに見えるのか」という塗装の仕組みを正しく理解し、その構造に合わせたコーティングの知識を持つことが不可欠です。通常の塗装と違い、マット塗装はクリアー層の表面にある微細な凹凸によって光を乱反射(拡散反射)させています。この「凹凸構造」を守ることこそが、メンテナンスの全てと言っても過言ではありません。ここでは、マット塗装オーナーが知っておくべき必須の知識を深掘りします。

マット塗装を買って後悔しないための鉄則

マット塗装の車を購入した後に「こんなはずじゃなかった」「維持費がかかりすぎる」と後悔しないための最大の鉄則は、「絶対に磨いてはいけない」という事実を、骨の髄まで理解し受け入れることです。これが、グロス塗装との決定的な違いです。

一般的な艶あり塗装であれば、洗車傷がついたり、水垢(ウォータースポット)が固着したりした場合、コンパウンド(研磨剤)とポリッシャーを使って表面を薄く削り取ることで、新品同様の鏡面にリカバリーすることが可能です。これは、表面を平滑にすればするほど光が正反射し、艶が出るからです。

しかし、マット塗装で同じことをするとどうなるでしょうか? コンパウンドで表面を擦ると、マット特有の「微細な凹凸」の山が削り取られて平滑になってしまいます。その結果、磨いた部分だけがテラテラと光り出し、周囲のマットな質感とは明らかに異なる「艶あり」の状態になってしまうのです。

これを専門用語で「グロッシング(艶出し)」と呼びますが、一度艶が出てしまったマット塗装を、元のマット感に戻す方法は、残念ながら「再塗装」以外に存在しません。

マット塗装とグロス塗装のクリア層表面の微細な構造を比較した図。マット塗装特有の凹凸による光の乱反射の仕組みを解説。
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しかも、マット塗装の再塗装は、色合わせや質感合わせが極めて難しく、パネル一枚だけの塗装では済まずに隣接するパネルまでボカシ塗装が必要になるなど、板金費用も高額になりがちです。

注意:たとえパッケージに「超微粒子」「傷消し」と書かれたマイルドなコンパウンドであっても、マット塗装には絶対に使用しないでください。物理的な摩擦による研磨は、取り返しのつかない不可逆的なダメージを与えます。

つまり、マット塗装の維持管理において「事後処理(リカバリー)」という選択肢は基本的にありません。あるのは「事前予防(プロテクション)」のみです。だからこそ、新車のうち、あるいは塗装状態が良いうちに適切なコーティングで表面を保護し、汚れが直接塗装面に固着しない状態を作ることが、グロス塗装以上に死活的に重要になるのです。

洗車機の利用可否と傷がついた際のリスク

「今日は疲れているから」「時間がないから」といって、ガソリンスタンドの洗車機を利用したくなる気持ちは痛いほど分かります。しかし、マット塗装の車にとって、門型洗車機は非常にリスクが高い選択肢であり、基本的には「使用不可」と考えるべきです。

最近の洗車機は「スポンジブラシ」や「布ブラシ」など、傷がつきにくい素材を採用していると謳っています。しかし、問題はブラシの素材そのものだけではありません。前の車が洗車した際にブラシに付着した砂利や汚れ、そして高速回転しながら塗装面を叩く物理的な衝撃と摩擦そのものが、マット塗装にとっては脅威となります。

この物理的な摩擦の繰り返しによって、マット特有の繊細な凹凸構造が徐々に摩耗し、全体的にぼんやりとした艶が出てしまったり、「洗車機傷」と呼ばれる無数の細かいスクラッチが入ってしまったりする可能性があります。前述の通り、マット塗装についた傷は磨いて消すことができません。

「マット塗装は光の乱反射で傷が目立ちにくい」という説を耳にすることがありますが、これは半分正解で半分間違いです。確かに浅い傷は見えにくいですが、ある程度の深さの傷が入ると、その部分が光ってしまい、逆に黒いボディに白い線が入ったように目立つことがあります。

マット塗装の洗車ルール:

  • 摩擦を最小限に抑えた「手洗い」が絶対の基本です。
  • たっぷりの泡(フォーム)で汚れを浮かせ、クッションの役割を持たせて優しく撫でるように洗います。
  • どうしても時間がない場合でも、ブラシを使用しない「ノンブラシ洗車機(高圧水のみのタイプ)」を選ぶなど、物理接触を避ける配慮が必要です。

また、洗車機のメニューによくある「撥水ワックスコース」や「ポリマーコース」なども避けるべきです。これらの汎用ワックス成分には、艶を出すための油分が含まれており、それが凹凸に入り込んで固着すると、まだらな艶ムラやシミの原因になります。手洗い洗車専門店に依頼する場合も、必ず「マット塗装ですが対応可能ですか?」と事前に確認し、研磨やワックスがけを行わないよう念押しすることが重要です。

固着した水垢を安全に落とす方法

マット塗装に付着した水垢(イオンデポジット)に対し、酸性ケミカル剤を塗布し化学的に溶解させている様子。物理的な摩擦を避け化学除去を行うことの重要性を示す。
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マット塗装のオーナーを最も悩ませ、そして恐怖させるのが、雨上がりや洗車後の拭き残しによってできる「水垢(イオンデポジット・ウォータースポット)」です。マット塗装の表面はザラザラとした凹凸構造になっているため、通常の塗装に比べて表面積が大きく、水滴が引っかかりやすくなっています。そのため、水滴がその場に留まりやすく、乾燥する過程で水分中のミネラル分(カルシウムやマグネシウムなど)が濃縮され、白いリング状のシミとして残りやすい傾向にあります。

もし、この水垢が塗装面に固着してしまった場合、通常のグロス塗装なら研磨剤入りのクリーナーやコンパウンドで物理的に削り落とせますが、マット塗装ではその「物理攻撃」が封じられています。では、どうすれば良いのでしょうか?

ここで唯一の解決策となるのが、「化学分解(ケミカル・デコンタミネーション)」による除去です。

化学除去のメカニズム: 酸性のケミカル剤(スケールリムーバー)を使用して、アルカリ性の性質を持つミネラル汚れ(水垢)を化学的に中和・溶解させて落とす方法です。物理的に擦るのではなく、化学反応で汚れの結合を解くため、塗装の凹凸を削ることなく汚れだけを除去できます。

ただし、使用する酸性クリーナーの選定には細心の注意が必要です。酸が強すぎる業務用の製品や、マット塗装に対応していない製品を使用すると、酸焼け(変色)を起こしたり、マットの質感が変質して白ボケたりするリスクがあります。

【安全な水垢除去の手順】

  1. まず通常の洗車で表面の砂埃を落とします。
  2. 「マット塗装対応」が明記された酸性クリーナー、または弱酸性のスケール除去剤を用意します。
  3. 目立たない場所(バンパーの下部など)で必ずパッチテストを行い、変色がないか確認します。
  4. マイクロファイバークロスに液剤を含ませ、水垢が気になる部分に優しく塗布します。決してゴシゴシ擦ってはいけません。
  5. 数十秒〜1分程度(製品の指定時間)待ち、反応させます。
  6. 成分が残らないよう、大量の水で徹底的に洗い流します。

無理にゴシゴシ擦って落とそうとするのは厳禁です。「物理で落とすな、化学で落とせ」。これがマット塗装における汚れ落としの絶対的な合言葉です。もし化学除去でも落ちないほど侵食が進んでいる場合は、残念ながら手出しができません。そうなる前の「早期発見・早期対応」が何より重要です。

ワックスやコンパウンドの使用がNGな訳

なぜこれほどまでに、一般的なカー用品店で売られているワックスやコンパウンドの使用を強く止めるのか。その理由は、それらの製品が設計された目的が、マット塗装の「命」であるマイクロテクスチャ(微細な凹凸構造)と真っ向から対立するからです。

まず、市販の「カルナバワックス」や「半練りワックス」の多くは、塗装の微細な傷を埋めて表面を平滑にし、光の反射を整えて深い艶を出すことを目的としています。これをマット塗装に塗布すると、ワックスに含まれるフィラー(充填剤)成分やロウ分が、マット特有の凹凸の「谷」の部分を埋めてしまいます。結果として、表面が平らになって艶が出てしまったり、埋まったワックスが白く固まって取れなくなり、全体が白ボケたようなムラになったりします。

次に、「水垢取りワックス」や「傷消しワックス」などの製品です。これらには、ほぼ間違いなくコンパウンド(研磨粒子)が含まれています。酸化アルミニウムなどの硬い粒子が配合されており、これを使ってマット塗装を擦ることは、紙やすりで塗装を削っているのと同じことです。凹凸の「山」の頂点が削り取られ、その部分だけ質感が変わってしまいます。

製品タイプ主な成分・特性マット塗装への影響・リスク判定
コンパウンド入りワックス研磨剤(アブレシブ)配合凹凸を物理的に削り取り、不可逆的な艶が出てしまう絶対NG
固形/半練りワックスカルナバロウ、シリコーン凹凸を埋めてしまい(フィリング)、ムラや白ボケになるNG
石油系溶剤入りクリーナー揮発性溶剤、洗浄成分溶剤が塗装に染み込み、シミや変色の原因になる要注意
マット専用コーティングSiO2、フッ素(ノンフィラー)凹凸形状を変えず、表面に追従した保護被膜を作る推奨

「艶を出さないための塗装」に「艶を出すためのケミカル」を使うのは、根本的に矛盾しています。製品を選ぶ際は、パッケージの謳い文句だけでなく、必ず裏面の成分表示や注意書きを確認し、「ノーコンパウンド(研磨剤なし)」「ノンシリコーン(または揮発性シリコン不使用)」「マット塗装対応」の表記がある製品を選定することが、失敗を防ぐ第一歩です。

鉄粉除去は粘土を使わず化学除去を選ぶ

車のボディを撫でたときに感じるザラザラとした異物。これは主に空気中を舞う鉄粉が塗装に突き刺さったものです。通常のグロス塗装であれば、この鉄粉を除去するために「トラップ粘土(ネンド)」を使用して物理的に絡め取るのが一般的です。しかし、マット塗装において粘土の使用は極めてハイリスクな行為となります。

粘土を塗装面で滑らせると、粘土自体が汚れを巻き込みながら移動するため、どうしても微細な摩擦傷(マリング)が生じます。グロス塗装なら、この後に軽くポリッシャーで磨けばマリングは消えますが、磨くことができないマット塗装では、粘土でついた擦り傷がそのまま永久に残ってしまいます。粘土をかけた部分だけが、擦れたような跡になったり、若干艶が出てしまったりするのです。

そのため、マット塗装の鉄粉除去に関しては、粘土を使わない「鉄粉除去剤(アイアンリムーバー)」を使用した化学除去を強く、強くおすすめします。

化学的鉄粉除去のメリット: 鉄粉除去剤に含まれる「チオグリコール酸アンモニウム」などの成分が、酸化した鉄粉と化学反応を起こし、紫色の液体へと変化させて溶かします。スプレーして数分待ち、水で洗い流すだけで除去できるため、塗装面に一切触れることなく(ノータッチで)、安全に鉄粉を取り除くことができます。

使用する際は、以下のポイントに注意してください。

  • 乾燥厳禁:薬剤が乾くとシミになるため、夏場や直射日光下での作業は避けてください。
  • たっぷり使う:ケチらずに液剤をたっぷり吹き付け、反応を促します。
  • どうしても取れない場合:化学除去を2〜3回繰り返しても取れない大きな鉄粉がある場合のみ、マット塗装専用の非常にソフトな粘土を使用するか、鉄粉除去パッドなどを使い、潤滑剤(スムーサー)を滝のようにかけながら、撫でるような極めて軽いタッチで除去します。しかし、これは最終手段であり、自信がなければプロショップに相談するのが賢明です。

DIYにおすすめのマット塗装コーティング施工法

マット塗装専用コーティング剤「Cure Matte REDEFINED」のボトル、アプリケーター、マイクロファイバークロスを並べた静物写真。DIYコーティングにおすすめの専用製品を訴求。
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「プロの専門店に頼むと安心だけど、費用が高額すぎる」「自分で愛車をケアする時間を楽しみたい」という方のために、DIYでも失敗せず、かつ確実にマット塗装を保護できる最適なコーティング施工法について解説します。適切なアイテムを選び、正しい手順を踏めば、プロ顔負けの美しい仕上がりを手に入れることは決して難しくありません。

キュアマットリディファインがおすすめな理由

数あるマット塗装用コーティング剤の中で、私が自身の経験とリサーチに基づき、現在最もおすすめしたいのが「Cure Matte REDEFINED(キュアマット リディファイン)」です。

市場には「全塗装色対応」「マット対応」と書かれた汎用製品も数多く存在しますが、それらの多くは「使っても(大きな)害はない」というレベルのものが多く、マット塗装専用に最適化されているとは言い難いケースがあります。中には、施工後に若干の艶が出てしまったり、耐久性が低くすぐに効果がなくなったりするものも少なくありません。

しかし、このCure Matte REDEFINEDは、マット塗装の特異な表面構造を徹底的に研究して開発された、正真正銘の専用設計コーティング剤です。

Cure Matte REDEFINEDをおすすめする3つの理由:

  • 完全なマット仕上げ(Texture Preservation): 最大の特徴は、塗装の凹凸を埋めないことです。ナノレベルの被膜が凹凸の表面形状に追従して定着するため、テカリを一切出すことなく、マット本来のドライな質感を維持します。
  • 深みのある発色(Deepening Effect): 艶は出ませんが、色の「深み」が増します。SiO2(シリカ)成分が光の散乱をコントロールし、白っぽくなりがちなマットブラックやマットグレーの色味を、引き締まった濃厚な色合いへと昇華させます。
  • 強力な防汚バリア機能: 疎水性(水が引いていく性質)に優れた被膜を形成し、汚れが凹凸に入り込んで固着するのを物理的にブロックします。これにより、一番の大敵である水垢や鳥のフンからのダメージを大幅に軽減できます。
Cure Matte REDEFINED(キュアマット リディファイン)

「なんとなく使える」製品ではなく、「マットのために生まれた」製品を使うこと。これが、取り返しのつかない失敗を避け、愛車の美しさを守るための最短ルートです。

DIYで失敗しないための正しい施工手順

マット塗装コーティングの施工における、余剰な液剤をムラなく拭き上げている日本人男性の手元クローズアップ。薄く均一に塗り、完全に拭き取る工程の重要性を表現。
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いくら高性能なコーティング剤を使っても、施工方法が間違っていては効果を発揮できないばかりか、ムラになって失敗するリスクがあります。特にマット塗装は「磨いてやり直し」がききません。ここでは、Cure Matte REDEFINEDを使用した、失敗しないための鉄壁の施工フローをご紹介します。

  1. 環境を整える: 直射日光が当たる炎天下や、風が強く砂埃が舞う日の施工は絶対に避けてください。ボディが高温になっていると液剤がすぐに乾いてムラになります。曇りの日や、屋根のある場所、朝夕の涼しい時間帯がベストです。
  2. 徹底的な洗車と脱脂(最重要): まずはたっぷりの泡で優しく洗車し、汚れを落とします。その後、コーティングの定着を良くするために「脱脂」を行います。古い油分やシャンプーの残留成分が残っていると、コーティングが密着しません。脱脂シャンプーやシリコンオフを使い、表面を完全な「スッピン」の状態にします。
  3. 完全乾燥: 水分が残っていると、コーティング剤と混ざって白濁したり、ムラの原因になります。ブロワーを使って隙間の水滴を飛ばし、吸水タオルで完全に水分を拭き取ります。
  4. 塗布(塗り込み): 専用のアプリケーター(スポンジにスエードクロスを巻いたもの等)に液剤を適量取ります。一度に全体を塗ろうとせず、「ボンネットの半分」「ドア1枚」といった具合に、50cm四方程度の狭い範囲で区切って進めるのがコツです。縦・横・縦とクロスさせるように、薄く均一に塗り広げます。
  5. 拭き上げ(レベリング): ここが運命の分かれ道です。塗布後は、メーカー指定のタイミング(直後〜数分以内など、製品による)で、すぐに乾いた清潔なマイクロファイバークロスで丁寧に拭き上げます。ゴシゴシ擦らず、優しく撫でるように余剰成分を回収します。 ポイント:クロスは常に新しい面を使ってください。液剤を吸った面で拭き続けると、汚れを再付着させているのと同じで、ムラ(ハイスポット)の原因になります。
  6. 最終確認: さまざまな角度からライト(スマホのライトでも可)を当てて、拭き残しやムラがないか徹底的にチェックします。もしムラがあれば、直ちにもう一度クロスで拭き取ります。硬化が始まってからでは手遅れになります。

警告:マット塗装のコーティングは「塗り」よりも「拭き上げ」に命をかけてください。液剤が少しでも厚く残っていると、そこだけ質感が変わって見えてしまいます。「薄く塗って、完全に拭き取る」。これが成功の鍵です。

施工にかかる費用と価格の考え方

マット塗装のコーティングをプロのディテイリングショップに依頼する場合、一般的なグロス塗装よりも高額な料金設定になっているケースが大半です。相場としては、ボディサイズにもよりますが、15万円〜25万円ほどかかることも珍しくありません。

なぜこれほど高いのでしょうか? それは、リスクに対する「技術料」と「保険料」が含まれているからです。万が一施工中に傷をつけてしまったり、ムラになってしまったりした場合、リカバリーができないため、プロであっても極度の緊張感と繊細な作業が求められます。また、施工環境の管理コストもかかります。

一方で、Cure Matte REDEFINEDなどを使用したDIY施工であれば、かかる費用は材料費(コーティング剤、クロス、脱脂剤など)のみで、概ね1万円〜3万円程度で収まります。

比較項目プロショップ施工DIY施工
費用目安15万円〜25万円1万円〜3万円
メリット完璧な環境、プロの技術、施工証明書、失敗時の保証圧倒的なコストパフォーマンス、愛着が湧く、好きな時にメンテ可能
デメリット費用が高額、預ける期間が必要すべて自己責任、失敗時のリスク、手間と時間がかかる

もちろん、予算に余裕があり、完璧を求めるのであればプロの施工が一番です。しかし、マット塗装は「一度コーティングしたら終わり」ではなく、継続的なケアが必要です。

>>参考:キーパーのマットコーティングは比較的安価ですが、毎年施行が推奨のようです。

定期的なメンテナンスや再施工のしやすさを考えると、DIYで良質な専用剤を使って、自分の手でこまめにケアするというスタイルは、コストパフォーマンスの面でも、愛車の状態を常に把握できるという意味でも、非常に合理的でおすすめできる選択肢です。

被膜の撥水性を維持する重要ポイント

コーティング施工直後の、水玉がコロコロと転がり落ちる美しい撥水(または疎水)状態。この光景を見ると「愛車が守られている」と実感できて嬉しいものですが、残念ながらこの撥水性能は永久には続きません。車を使用していれば、時間の経過と共に水弾きが弱まり、水がベターっと広がるようになってくることがあります。

ここで多くのオーナー様が勘違いしてしまうのが、「水が弾かなくなった=コーティングが剥がれてしまった」という思い込みです。しかし、高品質な硬化型コーティングであれば、数回の洗車や雨で被膜そのものが消滅することはまずありません。

では、なぜ撥水しなくなるのでしょうか? その主な原因は、コーティング被膜の上に蓄積した「阻害被膜(汚れの膜)」にあります。

大気中には、目に見えない排気ガスの油分、花粉、黄砂、そしてミネラル分などが漂っており、これらがコーティング被膜の上に降り積もります。本来なら水を強烈に弾くはずのコーティング層が、これらの汚れの膜によって覆い隠されてしまうことで、表面の表面張力が変化し、水弾きが悪くなってしまうのです。つまり、コーティングが落ちたのではなく、コーティングが「埋もれている」状態と言えます。

この撥水性を復活させ、維持するために最も重要なポイントは以下の3点です。

1. 定期的な「リセット洗車」で汚れの膜を剥がす 撥水が弱まったと感じたら、まずは丁寧にシャンプー洗車を行ってください。水洗いだけでは落ちない油分や汚れの膜を、界面活性剤の力で洗い流すことで、下に眠っていたコーティング被膜が顔を出し、再び撥水力が蘇ることが多々あります。「コーティングが落ちたから塗り直さなきゃ」と焦る前に、まずは「洗うこと」を試みてください。

2. メンテナンス剤(オーバーコート)による犠牲被膜の形成 ベースとなる硬化型コーティング(Cure Matte REDEFINEDなど)の上から、定期的に専用のメンテナンススプレーや簡易コーティング剤を施工することも非常に有効です。これを「トップコート」や「オーバーコート」と呼びます。この層が、紫外線や汚れを直接受け止める「身代わり(犠牲被膜)」となって劣化してくれることで、下の本番のコーティング層を長期的に保護し続けることができます。

3. シャンプー成分の残留を防ぐ 意外な盲点ですが、洗車時のシャンプーのすすぎ残しも撥水阻害の大きな原因です。特にワックス成分入りのシャンプーや、泡切れの悪いシャンプーを使うと、界面活性剤が表面に残って親水状態(水が馴染む状態)を作ってしまいます。マット塗装は凹凸に泡が残りやすいので、通常の塗装以上に、しつこいくらい徹底的に水ですすぐことが重要です。

撥水性は、単なる見た目の演出ではありません。水滴がコロコロと転がり落ちることで、塗装面に汚れが留まるのを防ぎ、結果として水垢の発生リスクを下げるという機能的な意味があります。だからこそ、「弾かなくなったら洗う」「定期的にトップコートを補充する」というサイクルを守ることが、マット塗装の健康寿命を延ばす鍵となるのです。

メンテナンス頻度と長持ちさせるコツ

「マット塗装はどれくらいの頻度で洗車すればいいですか?」という質問をよく頂きますが、私の答えはシンプルです。「汚れたらすぐ、理想は2週間に1回」です。

マット塗装のメンテナンスにおいて最も恐ろしいのは、汚れを「放置すること」です。一般的な艶あり塗装であれば、多少汚れを放置してシミができても、最悪の場合はコンパウンドで一皮剥けばリセットできます。

しかし、再三お伝えしている通り、マット塗装にはその「奥の手」がありません。汚れが塗装の凹凸の奥深くまで浸透し、化学変化を起こして固着してしまった時点で、それは「取れない汚れ(=永続的なダメージ)」へと変わります。

特に以下の汚れに関しては、見つけ次第「即座に」除去する必要があります。これらは塗装を侵食するスピードが極めて早く、数日放置しただけで取り返しのつかないシミになることがあります。

危険度汚染物質リスクと対策
危険度MAX鳥のフン強力な酸性またはアルカリ性を含み、塗装を溶かして変色・陥没させます。乾燥して固まると除去時に傷がつきやすいため、お湯でふやかして即座に除去してください。
危険度MAX虫の死骸体液が酸性で、放置すると塗装と一体化して溶けます。特に夏場の高速道路走行後は要注意。虫取りクリーナー(マット対応)で優しく除去します。
危険度高樹液・花粉ペクチンなどの成分が乾燥収縮時に塗装を引っ張り、陥没痕を作ります。お湯(70度程度)で温めると除去しやすくなります。

また、保管環境によってもメンテナンスの難易度は劇的に変わります。

【屋内保管(ガレージ)の場合】 紫外線や酸性雨、夜露から守られるため、マット塗装にとって最高の環境です。洗車頻度は月1回程度でも美しさを維持しやすいですが、埃は溜まるので、毛ばたき等で優しく払うか、水洗いは定期的に行いましょう。

【青空駐車の場合】 過酷な環境です。紫外線による退色リスクや、雨ジミのリスクが常にあります。可能であれば、高品質な(裏起毛などの)ボディカバーを使用することを強く推奨します。ただし、風でカバーがバタつくと、カバーとボディが擦れてマット塗装の凸部が摩耗し、テカり(艶)が出てしまうリスクがあります。カバーをかける際は、車体が汚れていない状態でかけ、バタつき防止のベルトをしっかり締めるなど、擦れ対策を徹底してください。

長持ちさせるための究極のコツは、愛車の変化に「敏感になること」です。「あ、ここに水垢ができそうだな」「撥水が少し弱まってきたな」という微細な変化に気づき、その都度、部分的にでもケアをしてあげること。この小さな積み重ねこそが、数年後の愛車の姿を決定づけます。一度ついてしまったダメージを嘆くよりも、ダメージを未然に防ぐ日々のルーティンを大切にしてください。

マット塗装のコーティングで質感を永く守る

ここまで、脅すようなことばかり書いてしまったかもしれません。「マット塗装って、なんて面倒くさいんだ」「自分には維持できないかも」と不安に思われた方もいるでしょう。

しかし、最後にこれだけは伝えさせてください。マット塗装の車を持つ喜びは、その苦労を補って余りあるほど大きいものです。

洗車を終えた夕暮れ時、独特の鈍い光を放つ愛車のボディラインを眺める瞬間。信号待ちでふとガラスに映る、他とは違う圧倒的な存在感。その満足感は、マット塗装オーナーにしか味わえない特権です。

確かに、マット塗装は「磨いて直す」という逃げ道がありません。しかし、それは裏を返せば「大切に扱えば、その分だけ確実に応えてくれる」ということでもあります。「何をしてはいけないか(NG行為)」を理解し、「何をすべきか(正しい洗車とCure Matte REDEFINEDのような専用コーティング)」を知っていれば、過度に恐れる必要はありません。

現代のケミカル技術は進化しています。かつては維持が困難と言われたマット塗装も、専用のツールを使うことで、DIYでも十分に美しさを保てる時代になりました。間違った情報や汎用品による失敗さえ避ければ、マット塗装は決して「維持不可能な塗装」ではありません。

この記事が、あなたの愛車を守るための道しるべとなり、マット塗装という特別な選択をしたあなたのカーライフが、より輝き(いや、輝きを抑えたシブい質感で!)充実したものになることを心から願っています。手間をかけた分だけ、愛車はより深く、より美しい表情を見せてくれるはずです。ぜひ、自信を持ってマット塗装ライフを楽しんでください。

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